ソコナイ図

おかしみのある声と ぼんやりした絶望の時間が 悲劇のソコから抜け落ちる

年を越したか、あるいは越していないか定かでない、年末、あるいは年始の時間。部屋の中に、二人の姉妹がじっと横になっている。二人は、突然亡くなった両親が残した資産にかかる相続税が原因で生活に困窮している。妹は、じっとしている姉が死んでいるのを知るのが怖くて声をかけられないまま、やはりじっとしている…

2015年末から2016年の年明けにかけてサイト・スペシフィック・ワークとして小さなギャラリーで初演し、高い評価を得て再演が繰り返されたdracomの代表作。切り詰められた台詞と引き伸ばされた時間を通して、大都市における故なき「餓死」を描く、2011年に大阪で起きた事件に基づいたフィクションの演劇作品。ニューヨークのSegal Center Japanese Playwrights Project 2018において日本現代演劇の優れた戯曲の1つに選出され、世界各国から参加があった東京芸術祭ワールドコンペティション2019でも日本からの参加作品として上演された。

作・演出|筒井潤

東京芸術祭ワールドコンペティション2019 参加公演
2019.11.2、3 東京芸術劇場 プレイハウス

2018年国内ツアー
《上田 Ueda》 9.29、30 スタジオ セブンツー 上田街中演劇祭2018 提携公演
《大阪 Osaka》 10.9、10 ウイングフィールド 平成30年度(第73回)文化庁芸術祭 参加
《仙台 Sendai》 10.13、14 せんだい演劇工房 10-BOX box-2 せんだい卸町アートマルシェ 2018提携公演

2016年京都・東京公演(『今日の判定』とのダブルビル)
東京公演 11.25〜28 森下スタジオ
京都公演 7.15〜18 アトリエ劇研

初演
2015.12.30〜2016.1.3 アートスペース ジューソー/#13

photo:TAKE nob(2016年京都公演)